【トレーニング】FMSとは?機能的に動けるか評価する重要性

今回は、当ジムでも採用している「FMS」という身体コンディションを確認する動作テストについてまとめました。

FMSテストについて興味のある方や、どういった評価基準があるのか知りたい方は参考にしてみてください。

 

FMSとは?


FMSとは、身体が機能的に動くかどうかを検査するもの。

Functional(機能的に)Movement (動けているか)Screen(評価する)

アメリカの理学療法士、グレイ・クックとリー・バートンの2人によって開発された理論です。

筋肉の柔軟性、筋力・バランス能力、関節の動き、姿勢、身体の不調・痛みの有無など、「身体コンディション」を確認します。

FMSは「弱点」が明らかになるため、効率的なトレーニングメニューを組み立てることができます。

◎警察、軍、消防士、アスリート、フィットネスクラブなどで採用されている

FMSの評価項目


①ディープスクワット

②ハードルステップ

③インラインランジ

④ショルダーモビリティ

⑤アクティブストレートレッグレイズ

⑥トランクスタビリティプッシュアップ

⑦ロータリースタビリティ

7種目:各項目1〜3点→トータル21点満点で評価する

 

FMS評価のポイント


・正しい動作ができた場合

→ 3点

・誤ったフォームや動作中の代償動作を伴うアライメント不良がある場合

→2点

・動作パターンが不十分で実施困難な場合

→1点

・疼痛により動作困難

→0点

  • 左右どちらも評価する(左右で点数の低い結果を最終スコア)
  • 動きの指導をしない(必要な場合は単に指示を繰り返すだけ)
  • 採点に迷ったときは低いほうのスコアをつける 

FMSの評価方法


実際のFMS評価7つについて詳しく見ていきましょう。

ディープスクワット Deep Squat(DS)

股関節、膝関節、足関節における両側の対称的、機能的可動性や安定性をテスト。

  1. 両足を肩幅ぐらいに開いてまっすぐ立ち、つま先を前に向ける
  2. 両手でバーを持ち頭の上に置く
  3. 肩と肘を90°にし、バーを頭の真上に持ち上げる
  4. 背中をまっすぐに伸ばしたまま、できるだけ深くしゃがむ
  5. 元の姿勢に戻る

3点:正しく動作ができる
2点:ボックスを踵の下に置いて正しくできる
1点:ボックスを踵の下に置いて正しくできない
0点:痛みがある

 

ハードルステップ Hurdle Step(HS)

身体の運び方、またぎ動作のメカニクスを試し、片脚立位での安定性のコントロール能力をテスト。

  1. 両足をそろえてまっすぐ立ち,つま先をボックスにつける
  2. 首の後ろでバーを両手で持ち、肩に乗せる
  3. 姿勢をまっすぐにしたまま、右脚を上げてハードルをまたぐ。
  4. 足首と膝と股関節がまっすぐに並んだ状態を保つ
  5. 踵を床につけ、元の姿勢に戻る

3点:正しく動作ができる
2点:正しく動作ができない
1点:足部がハードルに接触するorバランスを崩す
0点:痛みがある

ハードルステップは、あまり採用しない。

インラインランジ In-Line Lunge(ILL)

股関節、膝関節、足関節、足部の可動性と安定性を同時に 広背筋や大腿直筋のような多関節筋の柔軟性をテスト。

  1. 背骨に沿ってバーを持ち、頭と背中とお尻の真ん中にバーを当てる
  2. 右手が首の後ろ、左手が腰の後ろに来るようにバーを持つ
  3. 右足をボックスにのせる
  4. 左脚の踵を(脛骨の長さ)の位置に置く
  5. 左右の足の裏をボックスにつけて、つま先を前に向ける
  6. バーを頭と背中とお尻につけた状態で、まっすぐな姿勢を保ちながら、ランジのポジションになる
  7. 元の姿勢に戻る

3点:正しく動作ができる
2点:正しく動作ができない
1点:バランスを崩す
0点:痛みがある

 

ショルダーモビリティ Shoulder Mobility Reaching(SMR)

肩関節の可動域テスト。上肢・肩関節の対側動作における肩甲胸郭部、胸椎、胸郭の自然な相補的リズムのテスト。

  1. 手の大きさを測る(遠位手関節皮線から中指先端)
  2. 両足をそろえてまっすぐ立つ。
  3. 握り拳をつくる
  4. 右(左)の拳を頭の後ろからできるだけ下へ下げると同時に、左(右)の拳は背中のほうからできるだけ上に挙げる
  5. 両手を無理やり近づけようとしない

3点:手の大きさよりも短い
2点:手の大きさの1.5倍
1点:手の大きさの1.5倍より長い
0点:痛みがある

クリアリングテストを行い、痛みがないか確認する。

アクティブストレートレッグレイズ Active Straight Leg Raise(ASLR)

骨盤とコアの安定性を保持しながら、下肢を分離して動かす能力をテスト。

  1. ボックスの上に膝の裏側をつけて仰向けになり、つま先を上に向ける
  2. 両手を体の横に置いて,手のひらを上に向ける
  3. 右足(左足)のつま先をすねのほうにひきつける
  4. 左膝(右膝)の裏側をボックスにつけたままで,右脚(左脚)を伸ばしてできるだけ高く持ち上げる

3点:棒よりも上がる
2点:膝の高さまで上がる
1点:膝の高さまで上がらない
0点:痛みがある

トランクスタビリティプッシュアップ Trunk Stability Push Up(TSPU)

上半身を対称的に動かすCKC(閉鎖運動連鎖)の動作中に、矢状面上で脊柱を安定させる能力をテスト。

  1. うつ伏せになり、両手を肩幅に開いて頭の上に伸ばす
  2.  手の位置を下げて、親指を額のラインに合わせる
  3.  両脚をそろえてつま先を立て、膝と肘を床から離す
  4. 体幹を真っ直ぐにしたまま体を1つのかたまりとして押し上げて、腕立て伏せの姿勢になる

3点:額のラインできる
2点:顎のラインできる
1点:顎のラインできない

女性の場合は、アゴの位置からスタート。

クリアリングテストで、上体だけを持ち上げ脊椎を伸展した時に痛みがないか見る。

ロータリースタビリティー Rotary Stability(RS)

上下肢の複合的な動作中における多平面上での骨盤・コ ア・肩甲体の安定性テスト。

  1. ボックスをまたいで、四つ這いになる
  2. 左右の親指、膝、つま先をボックスの横に当て、つま先をすねのほうに引きつける
  3. 同じ方の手と脚を同時に伸ばす
  4. 右肘(右手)と右膝(くるぶし)をボックスの上でくっつける
  5. 手と脚を伸ばす

3点:同側で正しくできる
2点:対角線で正しくできる
1点:対角線で正しくできない
0点:痛みがある

2点は、伸ばした状態から触ることができればOK。

クリアリングテストで、四つ這いになり臀部を踵につけ、胸部を大腿につけるようにし両腕を伸ばして痛みがあるか確認する。

 

FMSのポイント


FMSは、基礎的な動作が上手くできているかの評価です。

FMSでは、弱点をあら探しする必要はありません。

枝葉は見ず、幹の問題に注目する「評価」が重要になります。

動作パターンにおいて、機能的な問題や痛みが発覚した際は「SFMA(セレクティブファンクショナルムーブメントアセスメント)」という評価方法を活用します。

【まとめ】FMSはトレーニングに入る前の評価


以上、FMSについてまとめた内容でした。

FMSについて、現在私たちは研修を通して、現場でしっかり使えるようアウトプットを重ねています。

当ジム「RISE conditioning」では、全ての人に一貫してFMSを導入しており、早期に「痛みのない痛み」を発見していきます。

身体本来の機能性を高め、スポーツのパフォーマンス等を上げていくためには、まず自分の身体の状態を知ることが重要です。

自分では気付かない筋肉のバランスやクセなどをしっかり把握し整えていきたい方は、お気軽にお問い合わせください。

RISE conditioning お問い合わせ

 

 

◎参考・引用文献

コメント

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